べいぼん
わたしの子供のころの絵をバージョンアップして描いてみました☆
名をば、「べいぼん」となむ言いける。
- 作者: 江國香織
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1998/03/02
- メディア: 文庫
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私の愛読書です。
私が持ってるのはもう、紙のブックカバーは擦り切れてボロボロ。セロハンテープで塞いであります^^;
いったい今まで何回読んだでしょう…
この本には、いくつもの名言というか、心に残るせりふや表現があります。
江國作品のなかでも、心に残る表現がある作品はあるけれど、やっぱり私はこれが一番!!
すごくね、孤独を感じるんです、この作品。
冷たくて、孤独で、どこにも行けなくて、でも生きていくしかなくて。
芹沢が静枝の頬を触るところとか、果歩が一晩タバコを吸い続けて迎えた朝とか、静枝が実家に戻るシーンとか。
登場人物も、みんなそれなりになんとか人間関係をやっていきながら、全く違う個をもった人間で、他人のことが理解できないんですよね。
恋人同士でさえ…うまくいってるんだけれども、静枝と果歩は本当にそれぞれの相手を冷静にみて、この人とは絶対的に私と合わない部分があると、認識しています。
江國香織さんの作品には、真冬に冷たいコップをぎゅっと握り締めた時に感じるような、ぞっとするような冷たさ、泣きたくなるような感じがします。
大人の話ですよね。
高校生の頃一回読んだけど、わからなかったもの。
子供の頃は、大人の生活がこんなにもメチャクチャだとは思いもよらなかったのに。
かっこいいとまではいかないにしろ、きっと大人になったら自分もしっかりしていくんだろーなーと、漠然と思ってた。
こんなにも北風が吹き、寒さにひとりで打ち震えて、いろんな問題が自分の身にふりかかってくるなんてホント、思いませんでしたよ。
今から振り返って、子供時代はそりゃいろいろあったけれども、守られていた部分はあるんだなぁと思った。
それにしても、果歩のように私は時折つぶやいてしまう。
「…ずいぶん遠くまで来たものだと思い、本当に一人ぼっちだと思い、それでも顔をあらわなくてはいけないと思って、とりあえず果歩は蛇口をひねった。…」
『ホリー・ガーデン』より
別の作品のあとがきに、「海に出るつもりじゃなかった」というのもあって、私はそれも好きです。
本当にそうだ。
私はいま、小船で海へ漕ぎ出して行ってしまったのだろう。
最初は本意ではなかったけれども…